サムエル記上 25章18-38節
ナバルのためにとりなすアビガイル(サムエル第一25:18-38)
見出しは聖書本文ではなく、当サイトが付けたものです。
18 アビガイルは急いで、パンを二百個、ぶどう酒の皮袋を二つ、料理した羊を五頭、炒った麦を五セア、干しぶどうを百房、干しいちじくの菓子を二百個用意し、ろばに積んだ。
19 そして若者たちに言った。「先に行きなさい。わたしはあとから行きます。」だが、夫のナバルには何も言わなかった。
20 アビガイルがろばに乗り、山の陰を下って行くと、ちょうどダビデとその部下たちが彼女のほうへ下って来た。こうして彼女は彼らと出会った。
21 ダビデはこう言っていた。「あの男のものを荒れ野で守ってやったのは、まったく無駄だった。あいつのものは何一つなくならなかったのに、あの男は、良くしてやった恩を仇で返した。
22 もしわたしが、夜明けまでに、あの男に属する者のうち男を一人でも残しておくなら、神がダビデの敵にどんな厳しい罰でも下されますように。」
23 アビガイルはダビデを見ると、急いでろばから降り、ダビデの前で顔を地につけてひれ伏した。
24 そして彼の足もとにひれ伏して言った。「わが主よ、その罪はどうか、このわたしに負わせてください。どうか、このわたしに話をさせてください。わたしの言うことを聞いてください。
25 わが主よ、どうかあの卑劣な男ナバルのことは、気にかけないでください。彼は名前のとおりの人なのです。ナバルという名前は『愚か者』という意味で、まさにその名のとおり、彼はいつも愚かなことばかりしています。このわたしは、あなたが送った若い人たちに会えませんでした。
26 わが主よ、今、主が生きておられ、あなたが生きておられるのと同じように確かなこととして申し上げます。血を流すことも、自分の手で復讐することも、主があなたを引き止めてくださいました。どうか、あなたの敵も、あなたに害を加えようとする者たちも、みなナバルのようになりますように。
27 そして、このしもべがわが主のために持ってまいりました贈り物を、どうか、あなたに従う若い人たちにお与えください。
28 どうか、このしもべの過ちをお赦しください。主は必ずわが主のために、揺るがない家を築いてくださいます。あなたが主の戦いを戦っておられるからです。あなたには、生きているかぎり悪いところは見つからないでしょう。
29 だれかが立ち上がってあなたを追い、命をねらったとしても、わが主の命は、あなたの神である主のもとで、いのちの袋にしっかりと包まれて守られます。でも、あなたの敵の命は、石投げの袋から石を投げ飛ばすように、投げ捨てられてしまうでしょう。
30 主は約束された良いことをすべて、わが主のために実現してくださり、あなたをイスラエルの指導者に任命してくださいます。
31 その時になって、わが主が理由もなく血を流したことや、自分の手で復讐したことが、あなたの心の重荷やつまずきになってはいけません。主がわが主に良くしてくださったなら、どうかこのしもべのことを思い出してください。」
32 ダビデはアビガイルに言った。「今日、あなたをわたしのところへ送ってくださった、イスラエルの神、主がほめたたえられますように。
33 あなたの判断もほめたたえられますように。そして、あなた自身もほめたたえられますように。あなたは今日、わたしが血を流すことも、自分の手で復讐することも止めてくれた。
34 確かに、あなたに害を加えることからわたしを引き止めてくださった、イスラエルの神、主が生きておられるとおり、もしあなたが急いで会いに来てくれなかったら、夜明けまでにナバルのところには、男が一人も残っていなかっただろう。」
35 こうしてダビデは、彼女が持ってきた物を彼女の手から受け取り、こう言った。「安心して家に帰りなさい。ほら、わたしはあなたの言うことを聞き入れ、あなたの願いを受け入れた。」
36 アビガイルがナバルのところに戻ると、彼は家で王の宴のような盛大な宴会を開いていた。ナバルはすっかり上機嫌で、ひどく酔っていた。そこで彼女は、夜が明けるまで、何ひとつ彼に話さなかった。
37 朝になって、ナバルの酔いがさめたころ、妻が彼にこれらのことをすべて話した。すると彼の心臓は止まったようになり、彼は石のようになってしまった。
38 それから十日ほどたって、主がナバルを打たれ、彼は死んだ。